学校ニュース(その6)

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今日は五條小学校にまつわる昔話を掲載します。

よければ、子どもたちに読み聞かせしてあげてください。

 

~運動場の下にいるかみなりさま~

五條小学校のそばあたりは、昔から雷が落ちたことがないそうです。

高い木もあり、電柱もあるので、雷が落ちるところはたくさんあるのですが。

それなのに、雷が落ちないというのは、こういう言い伝えがあるそうです。

昔、八幡さんという神様がお昼寝をしていたときのこと。

気持ちよくいびきをかいて、寝ていました。

そうすると、あたりが一気に暗くなったかと思ったら、大きな雷が鳴り始めました。

『カリカリ ドンドーン』

とすごい音。しかし、八幡さんのいびきも負けてない。

『ゴオー ゴオー』

どっちも競争みたいに音を立てた。

そのうちに、ぴかっと光ったかと思ったら、ドーンと雷さんが落ちてきた。

八幡さんは驚いて目を覚ました。

八「ええかげんにせんか。昼寝の邪魔をするばかりやない、わしのそばへ落ちてくるとは、どういうつもりや。」

雷さんの首筋をつかまえた。雷さんは震え上がって、

雷「こ、こらえてんか。」

八「あかん。よりによって、わしのそばへ落ちてくるやなんて、こらえたらん。」

お昼寝の邪魔をされた八幡さんは、かんかん。

雷さんは目を白黒させて言った。

雷「す、すんまへん。あんまり大きないびきがきこえまっしゃろ。なんやろと思うて上まできてから、下のぞいてたら、足を踏み滑らして、落ちてしまいましたんやがな。」

八「あほんだら、わしが大きないびきをかくかい。」

八幡さんは、自分のいびきが聞こえないので、雷さんが嘘をついたと思って、また腹を立てた。

首筋をつかんだまま、そばの深い井戸のところまで、雷さんを連れて行った。

八「おまえみたいいな、あばれもんの嘘つきは、井戸の中で静かにしてい。もう二度と出てきたらあかんぞ。」

そう言うと、いやがる雷さんを井戸に押し込んで、重たい石で蓋をしてしまった。

暗い井戸の中へ閉じ込められた雷さんは、何日も何日も泣いていたという。

それから何年も何百年も過ぎ、雷さんを閉じ込めた井戸の上に、小学校の運動場ができた。

雨の後でいい天気になると、井戸の上だけが早く乾く。

「なんでやろ。雨があがったと思うたら、もうかわいとるやんか。」

子どもたちは、そんな噂をしていたそうだ。しかしまた、おかしなことをいう子もいた。

「運動場の下で、なんぞ音が聞こえるように思えへんか。」

「そないいうたら、聞こえるみたいな気ぃもするなあ。」

噂がだんだんと広まって、どうしてだろうということになり、近所のお年寄りに聞きに行ったそう。

「ひょっとしたら、そこは昔八幡さんが、雷さんを井戸の中に閉じ込めたというところとちゃうやろか。

運動場の横に八幡さんをまつってあるやろ。あの神さんが、雷さんを閉じ込めてくれたよってに、ここら辺りには雷が落ちてこんのや。」

今でも、運動場の井戸の上に耳をつけてたら、地べたの底から、太鼓を打つみたいな音が聞こえるとか聞こえないとか。

はようでたい、はようでたいと、太鼓を打っているらしいですよ。

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このページは、五條小学校が2020年5月13日 14:15に書いたブログ記事です。

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