今日は五條小学校にまつわる昔話を掲載します。
よければ、子どもたちに読み聞かせしてあげてください。
~運動場の下にいるかみなりさま~
五條小学校のそばあたりは、昔から雷が落ちたことがないそうです。
高い木もあり、電柱もあるので、雷が落ちるところはたくさんあるのですが。
それなのに、雷が落ちないというのは、こういう言い伝えがあるそうです。
昔、八幡さんという神様がお昼寝をしていたときのこと。
気持ちよくいびきをかいて、寝ていました。
そうすると、あたりが一気に暗くなったかと思ったら、大きな雷が鳴り始めました。
『カリカリ ドンドーン』
とすごい音。しかし、八幡さんのいびきも負けてない。
『ゴオー ゴオー』
どっちも競争みたいに音を立てた。
そのうちに、ぴかっと光ったかと思ったら、ドーンと雷さんが落ちてきた。
八幡さんは驚いて目を覚ました。
八「ええかげんにせんか。昼寝の邪魔をするばかりやない、わしのそばへ落ちてくるとは、どういうつもりや。」
雷さんの首筋をつかまえた。雷さんは震え上がって、
雷「こ、こらえてんか。」
八「あかん。よりによって、わしのそばへ落ちてくるやなんて、こらえたらん。」
お昼寝の邪魔をされた八幡さんは、かんかん。
雷さんは目を白黒させて言った。
雷「す、すんまへん。あんまり大きないびきがきこえまっしゃろ。なんやろと思うて上まできてから、下のぞいてたら、足を踏み滑らして、落ちてしまいましたんやがな。」
八「あほんだら、わしが大きないびきをかくかい。」
八幡さんは、自分のいびきが聞こえないので、雷さんが嘘をついたと思って、また腹を立てた。
首筋をつかんだまま、そばの深い井戸のところまで、雷さんを連れて行った。
八「おまえみたいいな、あばれもんの嘘つきは、井戸の中で静かにしてい。もう二度と出てきたらあかんぞ。」
そう言うと、いやがる雷さんを井戸に押し込んで、重たい石で蓋をしてしまった。
暗い井戸の中へ閉じ込められた雷さんは、何日も何日も泣いていたという。
それから何年も何百年も過ぎ、雷さんを閉じ込めた井戸の上に、小学校の運動場ができた。
雨の後でいい天気になると、井戸の上だけが早く乾く。
「なんでやろ。雨があがったと思うたら、もうかわいとるやんか。」
子どもたちは、そんな噂をしていたそうだ。しかしまた、おかしなことをいう子もいた。
「運動場の下で、なんぞ音が聞こえるように思えへんか。」
「そないいうたら、聞こえるみたいな気ぃもするなあ。」
噂がだんだんと広まって、どうしてだろうということになり、近所のお年寄りに聞きに行ったそう。
「ひょっとしたら、そこは昔八幡さんが、雷さんを井戸の中に閉じ込めたというところとちゃうやろか。
運動場の横に八幡さんをまつってあるやろ。あの神さんが、雷さんを閉じ込めてくれたよってに、ここら辺りには雷が落ちてこんのや。」
今でも、運動場の井戸の上に耳をつけてたら、地べたの底から、太鼓を打つみたいな音が聞こえるとか聞こえないとか。
はようでたい、はようでたいと、太鼓を打っているらしいですよ。