1年の最近のブログ記事

 インフルエンザの欠席の影響で、延期になっていた発表会が、2月14日(金)に行われました。
〇飲酒
〇薬物乱用
〇SNS中毒
〇ゲーム依存
〇たばこの害
〇熱中症
 これらのテーマについて、各クラス各班ごとに調べた内容について、発表をしました。
 本年度は、1年生は、国語科を中心に様々な取組を行ってきましたが、分かりやすく「伝える」ということも学習の一つでした。
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 分かりやすく伝えるために、動画を作成しました。その演技は俳優も顔負けの名演技(迷演技?)で、インパクトがありました。
 また、ナレーションや文字など、構成も工夫されており、すばらしいものでした。
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 保護者の方々も多数参加して下さり、「私たちの中学生の時は、人前で話したり演技したりなど、恥ずかしくて堂々とできなかったけれど、今の中学生はしっかりしていると思います」と意見を述べて下さいました。
 そして、PTAの方々には、PTA賞として各クラス1つの班を選んでいただきました。A組はF班《たばこの害》、B組はE班《ゲーム依存》でした。発表内容を「レポート集」としてまとめました。校内に掲示し、2、3年生にも読んでもらえるようにしています。
 来校の際は、ご覧下さい。

 

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 2月5日(水)、1年生が色々な体験を通して、支えが人様な人の思いを感じるという時間を持ちました
《ねらい》
・道徳の「共生社会を担う一員として、障がいを持つ人々から学ぶ」のまとめとして、誰に対しても公平に接し、差別や偏見のない社会の実現に努める態度を、体験を通して養う。
・講師------奈良県福祉人材センター
     社会福祉法人泰久会 障害者福祉支援施設 仁優会

体験
〇自助具の体験 〇食事介助体験 〇服着脱体験
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 ちょっとした段差や溝・・・と思いがちですが、車いすの人や、手足の不自由な方、目の見えない方にとっては、とても大変な思いをします。
 だから、そういうことに思いを寄せて、手助けをしたりすることが大切だと教えて下さいました。そして、実際に体験したことで、その気持ちがよりいっそう、よく感じられました。

 1月17日(金)、午後から武道場にて、百人一首大会が行われました。
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 百人一首を用いて行う競技かるたの世界を描いた漫画「ちはやふる」。そういった漫画の世界から「百人一首」に親しんだという生徒が多いのではないでしょうか。今年も、元気な声が、武道場から聞こえてきました。

 生徒たちにとって、人気の一首は何でしょうか?
「ちはやぶる神代も聞かず竜田川 からくれなゐに水くくるとは」・・・・・
「花の色は移りにけりないたづらに わが身せにふるながめせしまに」・・・・・
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 いずれにしても、和歌に親しむきっかけになったり、日本文化や伝統、古典に深く接する機会が多くなるのはうれしいものです。
 本校では、今年度、図書室経営や国語科教育の充実を図っています。和歌や俳句などを通して、心や自然を詠み、言葉に込められた思いや心情を知ることを深めてきました。
 これからも、そういった学習を通して、人間教育にもつなげていければと思っています。

 昨年度の中学1年生が喫煙防止学習で製作した「紙芝居」を小学校に寄贈しましたが、本年度1学期、宇智小学校、阿太小学校でその紙芝居を使って、喫煙防止学習を行ってくれました。
 2学期には、北宇智小学校でも、全校集会時の折、「紙芝居」を使って、タバコの害について学習してくれました。
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 喫煙防止の学習、食育、生活習慣の確立等、小中が連携していくことは、とても大事なことだと思います。
 発達段階をふまえながら、小中連携を行うことで、気付きや刺激を生み、それが学習意欲・健康な生活の実行へとつながればと思うものです。
 本年度、1年生「喫煙防止学習」の取組のテーマは「私たちに忍び寄る身近な健康被害についてお互いに伝え合おう」です。
 また、本年度は国語科の授業の一環で、新聞社の出前授業を行いました。当日の新聞記事を見ながら、記事について説明を受けたり、記者の仕事について聞いたりしました。2学期末には、カンテレ出前授業で、報道記者の方から、「インタビューや伝える」ということについて、大切なことは何か、どう伝えるのか等について、深く学びます。
 その学習を基礎にして、グループでPR動画を作成し、1月30日の参観日にレポート発表を行う予定です。取り上げるテーマは、喫煙の他、飲酒・薬物依存・ゲーム依存・SNS中毒・食品添加物・熱中症となっています。
 今日的課題について、1年生がどう切り込み、どんなことを調べ伝えるのか、楽しみです。
 教科の学習が、このように、様々な分野で活かされることは、「確かな学力」につながることであり、学年の取組が、学校全体の学習向上になると感じています。

 11月15日(金)、5時間目、1A・2Bのクラスで、道徳学習の公開授業が行われました。
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1学年
 テーマは、「共生社会を担う一員として、障がいを持つ人々から学ぶ」です。
 本時の主題は「公平について考えてみよう」で、テーマパークのチケットの種類を取り扱うことで、何をもって公正・公平であるかについて考えるものでした。




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東京2020オリンピック、パラリンピック

ポスター金賞作品





 また、パラリンピックのルールをもとに、自分が考える「公平」とは何かについて理解をしていきました。
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 2学期ともなれば、中学校生活にも慣れ、誰とでもうちとけて、協力して取り組めるようになってきました。そんな雰囲気が伝わってくる学習でした。

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2学年
 主題は、「規則の役割、遵法精神、公徳心」です。
 「美しい鳥取砂丘」という教材から、落書きの問題を解決するためにはどうしたらよいのかを考えました。



 

 

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〇問題をつかもう
 鳥取砂丘では、なぜ落書きが問題となっているのだろう。

〇自分で考えてみよう
 落書きをしている人はどんな気持ちで落書きをしているのだろう。

〇問題について考え、論議しよう
 落書きの問題を解決するためにはどうしたらよいか、その理由について発表しあおう、どんな考えが大切か話し合おう。


 団結力や行動力がついてきたが、一方でモラルに欠ける言動や、他者への無配慮な言動も見られることもあると話していた担任ですが、厳しい決まりがなくても、一人一人が意識を高く持てばいいと思う・・・と言った意見が出されるなど、どうしたらみんなが守れるんだろうと真剣に考えるなど、クラス一人一人に責任感が芽生えてきていることも実感しました。

≪研修の様子≫
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 指導助言者として、五條中学校 上村校長先生、川合第一中学校 南田先生に来校いただき、研修を行いました。

 10月11日(金)、社会見学を実施しました。班行動を通して、役割と責任を自覚し、仲間意識を深めました。
 3年生は、日本初の体験型英語教育施設「OSAKA ENGLISH VILLAGE(OEV)」と、生きているミュージアム「NIFREL(ニフレル)」を見学し、活きた英語で活きたコミュニケーションをはかる楽しさを学びました。
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 1年生は、奈良公園・興福寺・猿沢池などを巡り、奈良の歴史と文化に触れました。
 教室を離れた学習は、自分たちで考え、自分たちで学ぶ機会です。そして、社会に触れることで、学びはより深くなるように思います。充実した1日を過ごせたことと思います。

 5月21日(火)、明日香方面へ、校外学習に出かけました。心配していた天候も晴れ間が見られ、充実した学習ができました。
【目的】
・明日香の歴史を肌で感じ、万葉の世界に思いをはせる。
・班行動を通して、仲間意識を深める。
・役割と責任を自覚し、協力し助けあう。
・公共のマナーを守る。
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 前夜の雨で心配された校外学習。朝の集合の時には曇天で小雨だったものの、明日香村では雨も上がり、次第に真っ青な空の下、活動が開始されました。明日香村は電線類地中化工事の関係で通行止めの箇所があったものの、万葉文化館をスタートに、甘樫丘、飛鳥寺、石舞台、亀石、犬養万葉記念館などを各班で効率よく回り、再集合場所の万葉文化館にはすべての班が時間内に戻ってくることができました。その中でも、B組5班がオリエンテーリングで第1位に、B組4班が第2位に、そしてA組4班が第3位なりました。また、万葉文化館では今話題の令和の出典などの説明を聞き、飛鳥時代の様子に触れることができました。
 班別活動から、普段あまり見ることのできない級友の長所をより多く見つけることができたのではないでしょうか。今回の活動を通して、学年としての絆をより強固にし、学校生活を送っていくエネルギーに変えていってもらいたいと思います。

 生徒感想文より(抜粋)
・明日香村に校外学習へ行ったことで、万葉集のことや、飛鳥寺、橘寺などの、歴史にふれることもできたし、A組B組も関わり合うことができたのでよかったです。B組の中でも絆が深まったし、班でも絆が深めることができました。
・みんなでお弁当を食べたり、バスの中でしゃべったりして、より友情が深まったと思う。そしてクイズはみんなで協力しながらできて良かった。

飛鳥寺                亀石
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万葉文化館・犬養万葉記念館
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190610008.jpg 私たちの住む五條市も、万葉集に詠まれている土地で、明日香同様、歴史の息づかいが感じられる所です。
 東中区域で詠まれた万葉集も、もう一度、味わってみましょう。




 

 

阿太人(あだひと)の 梁(やな)打ち渡す 瀬を早み
               心は思へど 直(ただ)に 逢はぬかも 
                          巻112699  作者未詳

 五條市の東部、吉野川沿いに広がる東阿田・西阿田・南阿田町一帯の地は、かつて『万葉集』に「安太(あだ)」と詠われた場所です。安太に住む人々は、川に杭(くい)を打ちこみ、そこに簀(す)を張って魚を獲る「梁(やな)」という漁をしていたようです。『日本書紀』にも神武天皇が東征するなかで出会った土着の民について、次のような記述があります。
 水(かは)に縁(そ)ひて西(にしのかた)に行きたまふに及(およ)びて、亦梁(や
 な)を作(う)ちて取魚(すなどり)する者(もの)有り。天皇問ひたまふ。対へて曰
 さく、「臣は是(こ)れ苞苴担(にへもつ)が子なり」とまうす。此則ち阿太(あだ)
 の養鸕部(うかひら)が始祖なり。
ここでもやはり安太に住む人々が梁を使って魚を獲っていたことがわかります。
 歌は、その安太の人が梁をうって漁をする吉野川の激流のように、と上三句までが比喩の表現となっています。下二句がこの歌の本意で、周囲の妨げによって逢うこともままならない秘めた恋心が詠まれています。
 『万葉集』にはこのような秘密の恋を詠んだものがいくつかあり、たとえば、「他辞(ひとごと)を繁(しげ)み言痛(こちた)み逢(あ)はざりき心あるごとな思ひわが背子(せこ)」(巻四の五三八)のように、噂が煩わしいから逢わなかっただけで浮気したと思わないでねといった歌や、「人(ひと)眼(め)多み逢はなくのみそ情(こころ)さへ妹を忘れてわが思はなくに」(巻四の七七〇)のように、人目が多いから逢わなかっただけで心まで忘れたわけではないよといった歌がみられます。
 家族や職場、仲間内にはナイショの交際。不安でもどかしい恋心は今も昔も変わりませんね。
(本文 万葉文化館 小倉 久美子)

                 平成278月号 県民だより奈良より

たまきはる 宇智うちの大野に 馬並なめて 朝踏ますらむ その草深野くさふかの
                     中皇命なかつすめらみこと  巻1‐4

 五條市の北宇智駅周辺は、かつて「宇智の大野」と呼ばれていた場所です。
 宇智の大野に馬を連ねて朝の野をお踏みになっておいでだろう、その草深い野を、と天皇の遊猟をことほいだ歌です。直前の長歌とともに、舒明(じょめい)天皇へ献呈された歌であることが『万葉集』に記されています。
 遊猟は、単なる遊びではなく、土地の霊力を得る重要な儀礼の一つでした。長歌(1三)では、「みとらしの 梓(あづさ)の弓の 中弭(なかはず)の 音すなり」という表現が中盤と最後に繰り返されて、独特のリズムを生んでいます。
 『源氏物語』などで、弓をはじいて音を鳴らすことが悪霊退散の呪術として描かれていることから、この歌の梓の弓の描写も、狩猟の道具としての弓であると同時に、呪具としての弓でもあったとみられています。

〈たまきはる〉

 「たまきはる」は、「内」や「命」ということばにかかるとみられます。一般に枕詞(まくらことば)と呼ばれている、古代の歌に特徴的な表現技法のひとつです。解釈には諸説がありますが、霊魂が極まるという意味ではなかったかといわれています。古代人にとって霊魂とは、人間の肉体の内にみなぎる永続性のあるものであり、その魂が極まるとは、生命力の充溢(じゅういつ)を意味したと考えられます。
 魂が極まる内(うち)―その宇智の大野、という音の連関から、この場所が内包する土地の勢いが表現されているようです。支配している地域や、猟場の動植物たちの生命力を詠むことは、天皇の治世(ちせい)を称えることでもありました。
 舒明天皇(在位六二九―六四一)にはじまり、飛鳥には歴代の天皇の宮が営まれました。舒明天皇の香久山からの国見の歌(1二)が、『万葉集』巻一巻頭の雄略天皇歌の次、万葉歌の実質的なはじまりを告げる位置に置かれ、続いて、今回取り上げた遊猟の際の献呈歌が載せられていることは、象徴的だといえます。舒明天皇と飛鳥や宇智の関わりの深さとその重要性がうかがわれます。

〈浮田(うきた)の社(もり)〉

 「大荒木(おほあらき)の 浮田の社の 標(しめ)にあらなくに」(11二八三九)と詠まれた社は、五條市内にある現在の荒木神社だと考えられています。「大荒木野」(7一三四九)と詠んだ歌もあり、周辺一帯は「大荒木」と呼ばれていたようです。
 「標」とは聖なる結界のしるしであり、現代でも「しめ縄」などという言い方があります。この歌は、その「標」をめぐらした神域のように、他人を寄せ付けずに年取ってしまうことを歎(なげ)いた恋の歌です。

                    平成252月号 県民だよりより


楽しいお弁当の時間・・・
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1年生が、喫煙防止の学習で製作した「紙芝居」を3小学校に寄贈しました。

<阿太小学校へ>              <宇智小学校へ>
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<北宇智小学校へ>
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 中学生の先輩が製作した紙芝居、学習で使ってもらえればうれしいです。
タバコの害について学習する時、中学校のお兄さん、お姉さんが作った紙芝居なら、難しい知識でも理解できやすいかもしれません。中学生の学びを小学生も感じることで、その学びは自然な形で深くなっていくのではないかと期待するものです。また、小学生の素直な学びを中学生も受け止めることで、自身を見つめるきっかけにもなるはずです。「互いに学び合う」ことを軸にして、「発達段階に応じて、何を学ぶか」を見極めながら、今後も交流をしていきたいと思います。

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 3月19日、1年生は、百人一首大会を行いました。インフルエンザの流行のため、延びていた百人一首大会。楽しみにしていたこともあってか、元気な声が武道場に響いていました。
 卒業式のあくる日(3月16日)には、霙が降ったりと、先週末より肌寒い日々が続いています。当日も、あいにくの雨で、寒かったのですが、1年生は元気です! 
 「ハイ!」「ハイ!」という大きな声を聞いていると、"芽吹く春"という季節の訪れと共に、成長した姿も重ねてみることができました。







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 2月19日(火)、大淀養護学校と本校1年生が交流をしました。4時間目の学活の時間に、一緒に"どら焼き"を作りました。
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 ホットケーキミックスをこねて、ホットプレイトで焼きました。 生地をプレートに流し込む作業を一緒にしました。「ちょっと焼きすぎたぁ・・」という班もありましたが、大成功! とても上手にできました。
 中身は、あんこ、チョコレートなど、みんな大好きなものばかりで、たくさん出来た"どら焼き"もペロリ・・・ぜーんぶ食べました!
 


 その後、1年生A組で給食を食べました。その日のメニューは「八宝菜」。一緒におかわりもしました。おしゃべりをしていると、自動車や電車など、乗り物が大好きな事がわかりました。大好きなだけあって、とても詳しくて、毎日、学校の図書館に行っていると教えてくれました。
 1年生の皆さんは、図書室へはどれくらいの間隔で行っているのでしょうか? 本は読んでいますか? 友達のいいところは見習いたいですね。

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 見た目はイマイチと思うかもしれませんが、味は世界一! 友情がいっぱい詰まった"どら焼き"です。
 お互いを理解するために、共に活動する機会を作る事は大切な事です。

今日の出会いに感謝したいと思います。
今日の活動をうれしく思います。




わたしはひろがる   岸武雄

わたしは小さいとき、
おやつのお菓子が弟より大きくないとおこった。
じだんだふんで泣いたこともある。
わたしが世界のすべてであった。
わたしが世界のすべてであった。

やがてわたしは、弟もわたしと同じように、
大きいお菓子をほしがっていることが、わかってきた。
わたしはけんかしながらも、
同じように分けることをおぼえた。

ときには、弟があまりうまそうに食べるので、
自分のぶんも分けてやった。
弟といっしょにお菓子を食べると、
お菓子の分量はへったが、なんとなく楽しい。
こうして、わたしの中へ弟がはいってきた。
こうして、わたしの中へ弟がはいってきた。

おかあさんがどんなに忙しそうに働いていても、
わたしは、平気だった。
おかあさんは、ああいうものだと考えていた。
やがてわたしは、「おかあちゃん わたしも手伝おうか」
と、いえるようになった。
おかあさんと仕事をすると、
なんとなく楽しい。
こうして、わたしの中へおかあさんがはいってきた。
こうして、わたしの中へおかあさんがはいってきた。

わたしは勉強するとき、
テストのことがいつも気になった。
どんなに仲のよい遊び友だちも、
テストになると、かたきのように思えた。
あの子、まちがえてくれないかなあ、と、
ひそかに心の中で思ったこともある。
テストが、わたしの勉強のすべてであった。
テストが、わたしの勉強のすべてであった。

やがてわたしは、小さいグループで、
教え合ったり助け合ったりして勉強することをおぼえた。
こうした勉強をつづけていると、
わかっているつもりの問題も、友だちから質問されると、
何と答えてよいのかわからぬことが、たくさん出てきた。
今までできないと思っていた友だちが、
だんだんえらく思えてきた。
こうして、わたしの中へ、友だちがはいってきた。
遊び友だちばかりでなく、勉強の友だちがはいってきた。

養護の子がへんなことをいうと、
わたしはよく声をあげてわらった。
わたしとは生まれのちがう、
あわれな子だと考えていた。

でも遊んでやらねば、と思って
がまんしてつき合っていた。
しかし、このごろ養護の子はわたしを見ると、
「おはよう」といって明るくとびこんでくる。
すると、わたしの心は蕾のようにふくらんでくる。
とてもあんなすなおな子には、かなわない。
こうして、わたしの中へ養護の子がはいってきた。
こうして、わたしの中へ養護の子がはいってきた。

わたしは理科の勉強をしながら
大きくなったらすばらしい発明や発見をして、
お金や名誉で身をかざろうと考えていた。
しかし、先生に科学の歴史のお話を聞いてから、
わたしの考えは、だいぶん変わってきた。
つまり、どんなにすばらしい発明や発見をしても、
なかまのしあわせにならねば、 
なんにもならないと、考えるようになった。
かのノーベル博士が、
自分の発明したダイナマイトが、戦争のために使われるのを悲しんで、
人類の平和と文化のために尽くした人々におくる、
ノーベル賞をつくった気持ちが、
少しわかったような気がする。
こうして、わたしの中へ、ほんとうの勉強のめあてがはいってきた。
こうして、わたしの中へ、ほんとうの勉強のめあてがはいってきた。

わたしは社会科を勉強しながら、
数字やグラフを一生けんめい暗記した。
日本が生産力で世界第何位と聞くと、
ただそれだけで、むねを張って喜んでいた。
やがてこうした数字やグラフの背後には、
ひたいに汗して働く人々のいることを考えるようになった。
こういう人々がすべてしあわせにならねば、
日本の国はいばれないと思うようになった。
こうして、わたしの中へ愛国心がはいってきた。
こうして、わたしの中へ愛国心がはいってきた。

わたしはベトナムの悲しい写真を見ても、
アフリカのあわれな黒人の話を聞いても、
遠い国のできごとのように思って、平気だった。

でも、このごろは、
ベトナム人も黒人も、わたしたちのなかまのように考える。
ベトナムの写真をみたり、黒人の話を聞くと、
心がうずき、むねがいたむ。
こうして、わたしの中へ、ベトナム人や黒人がはいってきた。
こうして、わたしの中へ、ベトナム人や黒人がはいってきた。

ああ、わたしはたったひとりなのに、
むねの中のわたしは、
弟もおかあさんも養護の子も、ベトナム人まで包んで
ひろがる、ひろがる......。

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