2月10日(金)1年生がふるさと学習の一貫で奈良大学教授、上野誠先生をお招きして「万葉集学習会」を開催しました。
1年生は喫煙防止を訴えるという取組で、「いのち」の折句を作ってくれましたが、宇智という言葉は、「いのち」を指す言葉と言われています。 そこで、万葉集研究の第一人者の上野誠先生に来校いただき、「五條市の万葉集について学習」を深めました。
◎「やすみやし 我が大君の
朝には 取り撫でたまひ 夕には い寄り立たし
みとらしの 梓の弓の 中弭の 音すなり
朝狩に 今立たすらし みとらしの 梓の弓の 中弭の 音すなり」
(万葉集 巻の1の3)
◎ 「たまきはる 宇智の大野に 馬並めて 朝踏ますらむ その草深野」
(万葉集 巻の1の4)
◎ 「あさもよし 紀人ともしも 真土山 行き来と見らむ 紀人ともしも」
(万葉集 巻の1の55)
◎ 「かくしてや なほやなりなむ 大荒木の 浮田の社の 標にあらなくに」
(万葉集 巻の11の2839)
上野先生は、伝統文化には、人が生きていくための知恵がつまっています。人は人との中でしか生きていけないもの。自分が気づいていないところで、多くの人が自分のために、働いてくれています。見えないものにも感謝する心が大切です。物と物が結び付けていく生き方が大切な事で、これが、東洋の哲学では「縁」と言います。つまり、物が結びつくことが、「生きていく」という事なのです。
自分が生きているという事は、過去の縁が積み重なって、今があり、それが未来へとつながるのです。だから、古典を学ぶ事は、生きていくヒントを与えてくれると言えるのです。大切な心は「感謝をして、今を生きる事」道具への感謝・この場所にいる事への感謝・景色が美しいと思える事への感謝・時間と言うものが取り戻せない事を知る事への感謝を万葉集をとおして伝えて下さいました。