6月28日(金)、期末テスト最終日の午後から、畿央大学の辰己智則先生に来校いただき、「実力を育む心・発揮するための心」と題して、自己コントロールなどについてお話を聞きました。
先生はスポーツ心理学が専門ですが、自身はバトミントンの選手として活躍していたという経歴もあります。学習やスポーツにおいて、どうしたら落ち着いて実力がだせるのか、ということについて研究され、そのことについてお話していただきました。
テスト後ということもあり、少し疲れ気味ではありましたが、真剣に聞いていました。
≪学習内容≫
人が選ぶ目標には、「成績目標と学習目標」の2つに分けられる。
成績目標:能力重視や外部から高い評価を得る事を目標とする。
成績目標の人の行動パターンは・・・
・自分の力に自信があり、それを誇らしげに示すことができると考える場合には、課題に積極的に取り組む
・自分の力に自信がない場合は、課題への取り組みを避け、能力の低さを隠そうとする。
・失敗は自分の能力が低いことを周りに示すことを意味するので、確実に成功できるやさしい課題か、失敗しても能力の低さを意味しないきわめて難しい課題が選ばれる。
・いざという場面でプレッシャーを感じやすく、エラーやミスを恐れ、挑戦の機会を失いがち。
学習目標:練習や努力を重視し、知識や技能を高める事を目標とする。
学習目標の人の行動パターンは・・・
・いつも新しい知識や技を得ることに関心があることから、練習・勉強の仕方や自分の進歩など、プレーに直接関わることに集中できる。
・自分の力に自信がある、ないに関係なく、自分の知識や技を最大限に高めることができる最適で挑戦的な課題を選ぶ。
・努力をし、進歩したこと自体が満足感を高める。失敗は、努力不足や練習・勉強の仕方や取組方が良くなかったことを示す手がかりになるものであり、新たな練習・勉強の方法を用いた挑戦に向かわせるものとなる。
・失敗は成功のもと! あらゆる場や経験が学び!
イチローが見失わないものは、内発的好奇心である。
彼のような志の持ち方を常にできている者は、好調、不調を問わず、心理的プレッシャーや脅威を感じる、感じないに関係なく、集中力を保ち、肩の力を抜いたプレーを発揮することができる。だから、結果もついてくる。
〇将来叶えたい夢だけでなく、現実的な目標をたてること。
〇結果目標だけでなく、行動目標をたて、特に、行動目標を重視すること。
〇具体的な目標、挑戦的な目標をたてること。
〇長期目標と、それに至る中間・短期目標をたてること。
〇達成度が確認しやすい目標をたてること。
〇集団目標と個人の目標をたてること。
教頭先生より
今日の講演は、「考える」という機会になり、大変良かったのではないか。また、自分を見つめ直す、あるいは振り返る時間になったのではないかと思います。
志・目標がなければ成長が止まるということを心に留め生活していきましょう。
トヨタという自動車の会社ですが、経営の柱は「改善」と聞きます。「知恵と改善」「人間性尊重」が2本柱だそうです。わかりやすく言うと、無限の可能性をもっている人間の力を最大限に活かすには、知恵を絞って現状を常によりよい方向に改善しようということだそうです。皆さんも、それぞれ目標があるはずです。改善し、目標を達成すべく頑張ってほしいと思います。