給食最終日、1学期最後の「食育放送」です。食育歴史ハンターの校長先生が登場! しっかり聞いて、健康で充実した夏休みを過ごしましょう。
≪放送内容≫
今日は、「五産五消献立」です。肉じゃが、高野豆腐の卵とじ、ワカメときゅうりのツナあえ、おいしくいただきましょう。
きゅうりの酢の物は「もみうり」と言い、奈良県の郷土料理の1つです。知っていましたか? やわらかくなるまで、きゅうりを塩でよくもむことから、「もみうり」と呼ばれています。口あたりがすっきりした「もみうり」には、ストレスをやわらげる要素があるので、夏の食卓に昔から作られています
今日は、ツナが入っていますが、焼いた薄揚げや、田の苗がよくつくように、吸い付く「たこ」にあやかって、「たこ」を入れます。
また、田植えが無事終わったことを祝った農耕の神事を「さなぶり」といいますが、田植えも一段落するので、つぶし小麦を入れた餅を搗いて、骨休めをします。この餅は小麦餅とも早苗饗餅とも言われ、昔から食べられてきました。
みなさん、食べたことはありますか? 小麦と餅米でついた餅に、きな粉をまぶす・・・小麦のぷちぷち感、香ばしいきなこの香り・・・何個でも食べられるお餅です。
さて、今日は、食育歴史ハンターの校長先生に登場していただきましょう。
令和になって初めての登場だな・・・どうだ、しっかり食べているかな? 小麦餅はうまいぞ!みんなも一度食べてみてくれたまえ。そうだ、きなこが大好きだった歴史上の人物がいるが、誰だかわかるかな?徳川最後の将軍だ、そう言えばわかるだろう?!
はい、徳川慶喜ですね・・・・
そうだ。徳川慶喜だ。まず、きな粉は、栄養価は満点だ。たんぱく質、脂質、炭水化物、ビタミン、ミネラル、そしてイソフラボン。栄養抜群の食べ物だ。それにホルモンバランスを整えるのにも最適だ・・・そんな、すごい「きなこ」・・・大好きだったのに、あることをきっかけに、きなこが食べられなくなってしまったそうだ。
そのきっかけとは......そのきっかけは・・・なんと「顕微鏡」。
えっ、顕微鏡?! なんで、顕微鏡が原因なんですか? 顕微鏡のせいで、きなこが食べられなくなったのですか?
では手短に話そう・・・慶喜は、将軍職を退いてからは、たくさんの趣味を楽しみながら暮らしていたんだ。写真撮影に油絵、これは有名だぞ。他に、弓道、釣り、将棋......たくさんの趣味を持っていて、どれも腕前はなかなかのもの、専門家顔負けだったそうだ。その趣味のひとつに、最新の機械である「顕微鏡」でモノを調べるという趣味もあったんだ。
感のいい人は、想像できるかな・・・
ある日、慶喜は、大好きな「きなこ」を顕微鏡で見ていた。いったいどんなものが映るのだろう・・・ワクワクしてのぞいてみると・・・
「なんじゃこりゃ!」「なんじゃこりゃ!」 慶喜は絶句した!!
「き・き・き・きなこの中に・・・虫、虫が虫がいる!!虫がいるぞ・・・」
どうやら保存状態の悪いきなこだったようで、中にはたくさんの虫が映っていたのです。
顕微鏡でのぞいたために、小さな虫がはっきりと見えたんだな。好奇心が仇となってしまったっちゅうことだ。それ以来、大好物のきな粉が食べられなくなったという訳だ。
1学期も来週で終わるぞ。夏休みが始まるが、慶喜の好奇心旺盛で、新しいもの好きで、何事にも一生懸命に取り組むことを、みんなも学んでほしいと思うよ。
夏休みこそ、普段できないこと、例えば、ゆっくり本を読んだり、身体を鍛えたり、家の手伝いをしたり、おお・・・料理をすることもいいぞ・・・色んなことに挑戦して、計画的に過ごしてほしい。体を鍛えるように、心も頭も自分自身で鍛えてほしい・・・